2009年7月 8日 (水)

■ 役員借入金について

業績の悪化から役員報酬の全部または一部が未払いになっている、または会社の資金繰りの悪化から、会社の運転資金を社長個人が捻出している・・こういった場合の未払い分又は社長が貸したお金は、会社の決算書などでは未払金または役員借入金として負債に計上されています。本来これらは社長にとって、会社に対する債権であり、業績回復などを機に会社から返済してもらう事が望ましいといえますが、過年度からの積もり積もった多額の役員借入金が計上されている場合などで、中には「もう全額を返済してもらうのは難しい・・」といったケースもあるのではないでしょうか?     

 それでは、それらを解消する方法を考えてみましょう。

★役員報酬減額分の補填として

業績が悪化しているから・・という理由で役員報酬を減額するケースがあります。とはいえ、社長個人にも生活がありますから「これ以上下げてしまっては・・」という事もあるでしょう。その場合には、減額した報酬分を役員借入金の返済で賄うという方法があります。報酬を下げるので所得税や社会保険料負担が減少する一方、個人の生活費は確保できます。会社としては、報酬として支払うか、借入金の返済として支払うかの違いだけです。また役員報酬を途中で変更する事は難しいですが、借入金の返済であれば資金繰りの都合によっては返済額を減らすなどの柔軟な対応も可能です。当然役員報酬が減少する分、利益が出やすくなりますので、欠損金などがある場合に検討してみると良いでしょう。

★債務免除による解消

役員借入金の返済を免除することで、負債を減らす方法です。本来であれば、会社に貸したお金ですから全額返してもらいたいところではありますが、なかなかそうはいかないといった場合に、いっそのこと放棄してしまうことで会社の負債を解消できます。ただし、免除した役員借入金の額と同額が会社にとっては利益となりますので、繰越期間7年の間に利益と相殺できる可能性が低い多額の欠損金がある場合などに、その範囲内で行う方が良いでしょう。

★負債から資本金へ

もともと役員借入金は、負債として決算書に計上されているものの、その性質は資本金に近いといえます。一連の手続きによりこの役員借入金を資本金に振り替える事ができます。

先にも述べたとおり、役員借入金は社長の会社に対する債権なのでその額は相続時の財産に含まれます。返済される財産ならともかく、そうでなければ、まったく意味がありません。

実際にお金を動かすことなく、会社の財務状態を改善することが可能ですが、注意点としては  ①時価での増資となる為、その借入額が客観的にみて、どうみても返済不可能である場合などは差額が債務免除益等として課税される恐れがあること、②増額する資本金の額によっては、法人が赤字でも支払う住民税の一部(均等割り額)が増加してしまうといったことがあげられます。

                                   (斎藤 勝)

2009年7月 1日 (水)

■ 新土地取得促進税制の利用対象者と活用事例

既に4/15号及び5/13号でお知らせしておりますが、平成21・22年の住宅・土地税制はかなり思い切った内容となっております。史上最大減税の住宅ローン控除については説明を割愛しますが、少し難解な新土地取得促進税制についてはどのような方が利用すると効果的なのか、また土地等の先行取得の場合の課税特例制度については何が思い切って凄いのか、今までの税制と比較してその特徴を表に明示したいと思います。

~どのような方が利用すると効果的か?~

【対象者:法人・個人事業者】

○収益性の低い資産から収益性の高い資産に買替える(資産の組換え)をしたい方          

○事業拡大を予定していて、新しいオフィス・店舗・工場用地を欲しい方

○将来の安定収入を期待して、投資用アパート・マンションを欲しい方

○売却益(含み益)の大きい土地を保有している方

○相続などで取得価額不明の土地を保有している方

今回の土地等の買換え特例

事業用資産の買換え特例

買換えの期間

10年間

通常、同一事業年度

(取得の日から一年以内)のみ

先行取得土地の種類

居住用・事業用どちらでも可

事業用限定

先行取得土地の面積

制限なし

売る資産の5倍まで

先行取得土地の用途

制限なし

1年以内に事業の用に供する

売る土地の所有期間

制限なし

10年超

【活用事例】

 ○親から相続したアパート・マンション・一軒家の収益性が低いので、より収益性の高いアパート・マンション・一軒家を取得する。

 ○事業の拡大を予定して、安価で大規模な工場用地や店舗用地を取得する。

 ○事業の拡大を予定して、好立地の場所(収益性高い)にオフィス用地や店舗用地を取得する。

中長期な視野で上手に活用すれば新しいビジネスや事業拡大など経営に役立つと思います。是非、お役立てください。                          (久保 康高)

2009年6月24日 (水)

■ 電子納税手続について

電子納税は、自宅やオフィスに居ながらにして国税の納付手続が可能となることから、金融機関の窓口まで出向かなければならない、あるいは窓口が開いている時間しか納付できないなどの場所や時間的な制約がなくなるというメリットがあります。電子納税では、領収書は発行されませんので、領収書が必要な方は従来通り、窓口に納付書を持参して納付をおこなってください。

電子納税には登録方式と入力方式の2つの方式がありますが、ここでは源泉所得税の電子納税のやり方(登録方式)を例に説明していきます。

(注)登録方式とは、e-Taxソフト等を使用して納付情報データを作成し、e-Taxに登録することにより、登録した納付情報に対応する納付区分番号を取得して電子納税を行う方式です。

○オフィスから電子納税を行う場合

《必要なもの》e-Taxソフトをインストールしたパソコンその会社の電子申告に係る利用者識別番号、暗証番号、納税用確認番号(電子申告の開始届を提出していること)インターネットバンキング等を利用していること

:毎月納付の場合

     e-Taxにログインし、申告・申請等から給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般)の様式に準じた入力画面に必要な事項を入力する。(源泉所得税納付書の入力画面が出てくるので納付書に記載するのと同様に入力する)

     ①で作成したデータを送信する。(電子署名は必要なし、利用者識別番号・暗証番号のみで送信可能)

     メッセージボックスに格納された納付区分番号通知の「インターネットバンキング」ボタンから取引のある金融機関にログインする。

     インターネットバンキングにて税目、納付金額等が表示されるので内容を確認し納税手続を行う。

(注) 源泉所得税納付書のデータの送信は、電子納税を行うために必要な手続きですが、データを送信しただけでは納付の効果は発生しません。

したがって、期限内にデータを送信し、期限後に電子納税を行った場合には期限後納付となりますのでご注意ください。

また、電子納税では現在の納付書による納税と同様、振替のための手数料は必要ありません。

ただし、インターネットバンキングやATM等の利用に当たり、利用のための手数料が必要となる場合もあるため、その点はあらかじめ利用する金融機関にご確認ください。   (伊藤 淳二)

2009年6月17日 (水)

■ 労働保険の事務処理上の注意点

労働保険の年度更新の時期です。申告書が届いてお気づきかと思いますが、今年度より申告期限が5月20日から7月10日に変わりました。ただし、保険年度(4月1日~3月31日)の変更はありません。

なお、延納(3回の分割納付)の納期限も変更となり、第1期7月10日、第2期10月31日(今回は11月2日)、第3期1月31日(今回は2月1日)です。

7月10日といえば、厚生年金・健康保険料を決定する「算定基礎届(定時決定)」の提出期限と同様です。期限は同じですが、こちらは4・5・6月に実際に支払った賃金をもとにするもので申告する内容は全く別のものです。従業員を多く抱えているところなどは、混乱して間違いのないようにしましょう。

 労働保険の申告をするうえでの注意点は会社によってさまざまですが、今回は間違いがちな点をいくつかお知らせします。

【年齢による注意点】

 毎年4月1日の時点で64歳以上の方は雇用保険料が免除となるので、これらの方に支払った賃金は雇用保険の算定基礎となる賃金から除外されます。

そのため、雇用保険に加入している方が4月1日の時点で64歳以上の場合は毎月の給与から雇用保険料は控除しないように注意しましょう。

【賃金総額が著しく下がったまたは増加した場合】

 概算保険料の欄に労災・雇用保険分の賃金総額の見込み額を記入する欄がありますが、原則は前年度確定賃金総額と同額を記入します。ただし、前年度と比較して2倍を上回る場合または2分の1を下回る場合はその見込み額を記入します。

【延納時の各期金額を計算した際の端数処理】

 概算保険料が40万円以上になった場合などは、3回に分けて納付ができます(延納)。

 1期ごとの金額を出す際(÷3をする際)に余りが生じた場合は、すべて第1期分へ加算します。

【その他の注意点】

・事業を廃止した場合も申告書の提出は必要です。

    「一般拠出金」については石綿と関係のない業種についても負担するものです。                                   (廣島 三津子)

2009年6月10日 (水)

■ エコカー購入の助成金

平成21年度補正予算(経済対策)が5月29日に成立しました。

その中に「環境対応車への買い替え・購入に対する補助制度」がもりこまれています。

これは、環境性能の良い新車の買い替え・購入を促進することにより、環境対策と景気対策を効果的に実現することを目的として創設されました。

(条件及び助成金額)

1.経年車の廃車を伴う新車購入補助

最初の登録等から13年に達した古い車を廃車して、平成22年度燃費基準達成車への買い替えをした場合の補助。

登録車(普通乗用車等)・・・25万円

軽自動車・・・12.5万円

2.新車購入補助

古い車の廃車を伴わなくても環境性能に優れた新車(排ガス性能4☆かつ平成22年度燃費基準+15%以上)を購入する者に対する補助。

登録車(普通乗用車等)・・・10万円

  軽自動車・・・5万円

(注意事項)

1.  適用対象期間

  平成21年4月10日から平成22年3月31日

2.   新車、廃車の使用期間

  買い替えの場合の廃車する車は、それまで1年間以上申請者が使用していたものでなければ

助成を受けることが出来ません。

  また、新車については登録後1年以上の使用が求められ、違反すると助成金を返納しなければいけません。(事故等により新車を滅失した場合を除く。)

3.    乗り換えについて

  登録車から軽自動車、自家用車から事業用車(それぞれ逆も含む)への乗り換えは助成の対象となりますが、乗用車からトラックへ等使用目的が著しく異なる場合には補助の対象とはなりません。

4月29日号で紹介したエコカー減税と併せて適用することができる為、エコカー以外の車と比べてかなり取得費を抑えることが可能になります。        (水田 裕之)

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