2009年12月24日 (木)

■ 贈与税に注意

鳩山首相と弟の邦夫元総務相は、2004年から2008年の5年間に毎年1億8千万円ずつ、総額9億円に上る資金提供を母親から受けたと伝えられています。借用書も返済実績もないことから「贈与ではないか」との疑惑が膨らみ、両氏も贈与と認定されれば修正申告して贈与税を納めるとの考えを示しています。

<贈与税とは?>

個人が、個人から現金や不動産といった財産の贈与を受けた場合にかかるのが贈与税です。(法人からもらったときは所得税がかかることになります。)

また、直接財産の贈与を受けた場合のほか、時価より著しく低い価格で財産を買った場合や、金銭の支払いがないのに不動産の名義を変更した場合、借金の免除を受けた場合などは、贈与というイメージは薄いのですが、税法上、贈与があったものとみなされ、贈与税がかかってしまうので注意が必要です。

<贈与税の申告>

贈与税は一人の人が1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です)。

贈与を受けた額が110万円を超え、贈与税がかかる場合には、財産をもらった人が申告と納税をする必要があります。申告と納税は、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に行います。

<贈与税額>              

贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。(水田 裕之)

◆税率表                 

200万円以下部分

10%

200万円超300万円以下部分

15%

300万円超400万円以下部分

20%

400万円超600万円以下部分

30%

600万円超1,000万円以下部分

40%

1,000万円超部分

50%

                  

2009年12月 2日 (水)

■ 平成21年度 所得税の改正点について

(1)   住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)についての改正

    平成21年に入居した場合、控除対象期間は10年、控除額は「年末の住宅借入金残高×1%」で計算されることになりました(控除額は50万円が限度)。

    新築・購入した住宅が認定長期優良住宅(新築に限る)である場合は、優遇措置が設けられました。控除額は「年末の住宅借入金残高×1.2%」で計算(控除額は60万円が限度)。平成21年6月4日以降に入居していることが必要。

(2)   認定長期優良住宅新築等特別税額控除の創設

    認定長期優良住宅を購入した場合、住宅ローンを組んでいなくても税額控除が受けられる(最大控除額は100万円)。

    控除額を引ききれなかった場合には、翌年に繰越ができる。

    (1)の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)との併用はできない

    中古住宅には適用なし。

    平成21年6月4日~平成23年12月31日までに居住していることが要件。

(3)   住宅特定改修特別税額控除の創設

    一定の省エネ・バリアフリー改修工事をした場合には、住宅ローンを組んでいなくても税額控除が受けられる。

    控除額は「工事費用と工事にかかる標準的な費用の額のいずれか低い金額(原則200万円が限度)×10%」で計算。

    (1)の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)との併用はできない。

    平成21年4月1日~平成22年12月31日までに居住していることが必要。

(4)   上場株式等の配当所得についての申告分離課税制度の創設

    上場株式等の配当所得について、申告分離課税を適用することができるようになった。

    上場株式等の譲渡損失と配当所得の損益通算を行うことができる。

    平成21年1月1日から適用。

(5)   特定の土地等の長期譲渡所得の特別控除の創設

① 平成21年1月1日~平成22年12月31日までに土地を取得した場合、その土地の売却時にその年の1月1日で所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得の金額から1,000万円を控除することができる。                                       (伊藤 淳二)

2009年11月 4日 (水)

■ 民主党の税制抜本改革~相続税の計算方式が変わる~

鳩山内閣が編成した政府税制調査会が開催した第1回会合で、今後の方向性について話し合いが行われました。相続税については現行の法定相続分課税方式から遺産課税方式へ改めていくとのことですが、それによってどのような変化があるのでしょうか。

例えば、父親が残した1億円の財産を息子と娘で相続したとします(ここではわかりやすくするため配偶者はいないものとします)。息子が8,000万円、娘が2,000万円を相続した場合、法定相続分課税方式では次のように計算します。

①課税遺産総額 1億円-7,000万円=3,000万円

②各相続人の法定相続分 3,000万円÷2=1,500万円

③相続人1人当たりの税額 1,500万円×15%-50万円=175万円

④相続税の総額 175万円×2=350万円

※①7,000万円は基礎控除。基礎控除の計算方法は、

5,000万円+1,000万円×法定相続人の数(ここでは息子と娘の2人)

※③課税遺産総額3,000万円以下の場合、税率は15%、控除額は50万円

遺産課税方式では以下のように相続税を計算します。

①課税遺産総額 1億円-7,000万円=3,000万円

②相続税の総額 3,000万円×15%-50万円=400万円

ここでお分かりのように、遺産課税方式のほうがやや税負担が重くなっています。法定相続分課税方式では法定相続人数をもとに算出した相続税の総額を実際の相続分に応じ按分して課税するのに対し、遺産課税方式では被相続人の遺産総額に対して課税します。このため、税率が同じでも遺産課税方式では控除額50万円を法定相続人分引けず税額が増えてしまうわけです。ただし、ここでは基礎控除や税率が現行のままという仮定で計算しており、数字が変えられることも考えられます。

遺産課税方式の利点は、遺産分割の仕方によって相続税の総額が変わることがないため税務の執行がしやすいところです。

しかし各相続人の取得額に応じた累進税率が適用されないため、担税力に応じた課税という点では限界があると言われています。また、仮定計算の段階ではありますが課税遺産総額が多いほど現行制度より税負担が多くなると予測されるため、今後も相続税対策に注意を向ける必要がありそうです。                              (岡村 香織)

2009年10月14日 (水)

■ 納税証明書の電子申請・書面発行

納税証明書の電子申請・書面発行とは、e-Taxで納税証明書の交付請求をすると、税務署が書面の納税証明書を発行し、郵送又は税務署窓口で受け取ることができるサービスです。

  ◆e-Taxを利用して書面の納税証明書を請求するメリット◆

①手数料が安価(1年度1税目1枚370円) ※通常は400円

②税務署に出向かなくても郵送で受け取ることができる。 ※別途郵送料が必要

③大量の枚数でも税務署の窓口で直ぐに受け取ることができる。

 交付請求・発行手順 ~郵便受取の場合~

①納税証明書交付請求書の作成

 e-Taxで納税証明書交付請求書(書面交付用)を作成し、受取方法の入力で郵送(簡易書留)又は郵送(普通郵便)を選択する。

②電子署名の付与及びe-Taxへ送信

  ①で作成した交付請求書に電子署名を付与し、e-Taxへ送信します。

③発行を受ける内容の確認

 e-Taxのメッセージボックスから納税証明書の作成状況、受付番号、納付番号、

確認番号、交付手数料、郵送料等を確認します。

④手数料の納付

インターネットバンキング等で手数料等を電子納付します。

⑤納税証明書の取得

税務署側が手数料等の納付を確認後、納税証明書が郵送されます。

 交付請求・発行手順 ~税務署窓口受取の場合~

①納税証明書交付請求書の作成

 e-Taxで納税証明書交付請求書(書面交付用)を作成し、受取方法の入力で税務署窓口を選択する。

②電子署名の付与及びe-Taxへ送信

  ①で作成した交付請求書に電子署名を付与し、e-Taxへ送信します。

③発行を受ける内容の確認

 e-Taxのメッセージボックスから納税証明書の作成状況、受付番号、交付手数料等を確認します。

④手数料の納付

  税務署窓口で手数料を納付します。

⑤納税証明書の取得

 税務署窓口で納税証明書が受け取れます。 (伊藤 淳二)

2009年9月15日 (火)

■ 民主党の税制

先月の衆議院総選挙で政権交代があり民主党が与党となりました。民主党が政権をとった場合に税制はどのように変るのでしょうか?

マニフェストに記載されている税制に関する主な内容は、以下の通りです。

1.        法人に対するもの

  中小企業に対する法人税率の引き下げ

    課税所得800万円までの部分に対する税率が現行の18%から11%へ引き下げられます。(800万円を超える部分については30%)

    

  特殊支配同族会社の役員給与の一部損金不算入制度の廃止

    同族会社の1人オーナー会社に対して役員給与の一部を法人税の計算上経費から除外する制度が廃止されます。

2.        個人に対するもの

  所得控除の一部廃止(控除から手当へ)

    中学卒業までの子ども1人当たり26,000円支給する「子ども手当」が創設されることにあわせて、配偶者控除(38万円)及び扶養控除(38万円)が廃止されます。

※ 特定扶養控除(25万円)、老人扶養控除(10万円又は20万円)、障害者控除(27万円、40万円又は75万円)などの控除は残る予定です。

  その他の寡婦(夫)控除、勤労学生控除についての記載はありません。

※ 廃止されるのは所得税計算上のみで、住民税の計算上の控除は廃止されない予定です。

  老年者控除(50万円)の復活

    平成17年度から廃止されていた老年者控除(50万円)が復活します。

  公的年金等控除の増額

     65歳以上の人の公的年金等から所得控除される金額の最低補償額が120万円から140万円に増額されます。

3.        自動車関連税制の暫定税率の廃止

  ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止します。

4.        租税特別措置法の見直し

  時限立法である租税特別措置法について見直しを行い、制度の恒久化又は廃止の方向性を明確にしていきます。

  主な租税特別措置法には以下のものがあります。

  ① 住宅ローン減税  ②土地売買の所有権移転登記などの軽減税率  ③確定申告を要しない配当所得  ④法人の試験研究費の特別控除  ⑤中小企業投資促進の特別控除

これらはあくまでも、民主党のマニフェストに記載されただけのものであり、法律として実現されるのか又は、実現されたとしてもいつから適用されるのか、といったことについては、すべて今後の国会で決定します。 (水田 裕之)

2009年7月17日 (金)

■特殊支配同族会社の役員給与損金不算入

平成18年度の税制改正により、特殊支配同族会社の役員給与の一部を損金不算入とする規定が設けられ平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています。

 この規定は平成18年5月から施行された新会社法によって法人設立が容易になったため、給与所得控除を利用した節税目的での会社設立が増えることを予想して立てられた対策だと考えられています。法人税と所得税の規定が混同されているとの指摘もありますが、この制度は具体的にどういったものでどういう会社に適用されるのでしょうか。

(1)制度の内容

 特殊支配同族会社が、その会社の業務を主宰している役員(通常は社長)に対して支給する給与の額のうち、給与所得控除額相当額(給与所得の必要経費として計算される金額)については法人税の計算上損金になりません。従って、法人税等の税額が増えてしまいます。

(2)特殊支配同族会社とは?

 次の2つの要件の両方に該当する会社のことです。

 ①業務主宰役員及び業務主宰役員関連者の持株割合が90%以上

 ②業務主宰役員及び常務に従事する業務主宰役員関連者の役員の

構成割合が50%以上

   ※職務執行の実態のない名目だけの役員は対象外となることに注意

(3)基準所得金額の条件もある

 基準所得金額とは簡単に言うと、法人の利益と社長の役員報酬を合計した金額の、直前3年間の平均額です。

 基準所得金額が1,600万円以下ならこの制度は適用されませんが、1,600万円を超えると適用対象となります。ただし1,600万円超から3,000万円以下の場合、基準所得金額のうち役員報酬の占める割合が50%以下なら適用されません。

(4)対策

 以上のことを踏まえて単純に考えると、主に次の3つの対策があります。

10%超の株式を非同族の株主に持ってもらう

・常勤役員の半数以上を同族以外にする

・基準所得金額が1,600万円超3,000万円以下のとき、役員報酬が50%以下になるようにする

 しかし安易な株の移動や役員の変更をしても、その合理性を説明できないと課税当局が税金逃れと判定する可能性があります。また、例えば株を取引先へ譲渡すると取引先に帳簿を見る権利を与え値下げ圧力などが生じる、といった危険性もありますので熟慮することが必要です。

                                                                            (岡村 香織)

2009年7月 1日 (水)

■ 新土地取得促進税制の利用対象者と活用事例

既に4/15号及び5/13号でお知らせしておりますが、平成21・22年の住宅・土地税制はかなり思い切った内容となっております。史上最大減税の住宅ローン控除については説明を割愛しますが、少し難解な新土地取得促進税制についてはどのような方が利用すると効果的なのか、また土地等の先行取得の場合の課税特例制度については何が思い切って凄いのか、今までの税制と比較してその特徴を表に明示したいと思います。

~どのような方が利用すると効果的か?~

【対象者:法人・個人事業者】

○収益性の低い資産から収益性の高い資産に買替える(資産の組換え)をしたい方          

○事業拡大を予定していて、新しいオフィス・店舗・工場用地を欲しい方

○将来の安定収入を期待して、投資用アパート・マンションを欲しい方

○売却益(含み益)の大きい土地を保有している方

○相続などで取得価額不明の土地を保有している方

今回の土地等の買換え特例

事業用資産の買換え特例

買換えの期間

10年間

通常、同一事業年度

(取得の日から一年以内)のみ

先行取得土地の種類

居住用・事業用どちらでも可

事業用限定

先行取得土地の面積

制限なし

売る資産の5倍まで

先行取得土地の用途

制限なし

1年以内に事業の用に供する

売る土地の所有期間

制限なし

10年超

【活用事例】

 ○親から相続したアパート・マンション・一軒家の収益性が低いので、より収益性の高いアパート・マンション・一軒家を取得する。

 ○事業の拡大を予定して、安価で大規模な工場用地や店舗用地を取得する。

 ○事業の拡大を予定して、好立地の場所(収益性高い)にオフィス用地や店舗用地を取得する。

中長期な視野で上手に活用すれば新しいビジネスや事業拡大など経営に役立つと思います。是非、お役立てください。                          (久保 康高)

2009年6月24日 (水)

■ 電子納税手続について

電子納税は、自宅やオフィスに居ながらにして国税の納付手続が可能となることから、金融機関の窓口まで出向かなければならない、あるいは窓口が開いている時間しか納付できないなどの場所や時間的な制約がなくなるというメリットがあります。電子納税では、領収書は発行されませんので、領収書が必要な方は従来通り、窓口に納付書を持参して納付をおこなってください。

電子納税には登録方式と入力方式の2つの方式がありますが、ここでは源泉所得税の電子納税のやり方(登録方式)を例に説明していきます。

(注)登録方式とは、e-Taxソフト等を使用して納付情報データを作成し、e-Taxに登録することにより、登録した納付情報に対応する納付区分番号を取得して電子納税を行う方式です。

○オフィスから電子納税を行う場合

《必要なもの》e-Taxソフトをインストールしたパソコンその会社の電子申告に係る利用者識別番号、暗証番号、納税用確認番号(電子申告の開始届を提出していること)インターネットバンキング等を利用していること

:毎月納付の場合

     e-Taxにログインし、申告・申請等から給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般)の様式に準じた入力画面に必要な事項を入力する。(源泉所得税納付書の入力画面が出てくるので納付書に記載するのと同様に入力する)

     ①で作成したデータを送信する。(電子署名は必要なし、利用者識別番号・暗証番号のみで送信可能)

     メッセージボックスに格納された納付区分番号通知の「インターネットバンキング」ボタンから取引のある金融機関にログインする。

     インターネットバンキングにて税目、納付金額等が表示されるので内容を確認し納税手続を行う。

(注) 源泉所得税納付書のデータの送信は、電子納税を行うために必要な手続きですが、データを送信しただけでは納付の効果は発生しません。

したがって、期限内にデータを送信し、期限後に電子納税を行った場合には期限後納付となりますのでご注意ください。

また、電子納税では現在の納付書による納税と同様、振替のための手数料は必要ありません。

ただし、インターネットバンキングやATM等の利用に当たり、利用のための手数料が必要となる場合もあるため、その点はあらかじめ利用する金融機関にご確認ください。   (伊藤 淳二)

2009年6月 3日 (水)

■ 新しい事業承継税制について

1)非上場株式についての相続税の納税猶予の特例

後継者である相続人等が、経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式等を被相続人(先代経営者)から取得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき相続税のうち、その株式等(一定の部分に限ります。)に係る課税価格の80%に対する相続税の納税が猶予される。(平成20年10月1日以降の相続等から適用)

《この特例を受けるための要件等》

◆ 経済産業大臣の確認

相続開始前に事業承継計画について経済産業大臣の確認を受ける必要あり。

◆ 経済産業大臣の認定←申請は相続開始後8ヶ月以内

相続開始後、法令の要件を満たしていることについて経済産業大臣の認定が必要。

◆ 会社の主な要件

中小企業が対象となるが、資産管理会社を除く等一定の種類の会社は除かれる。

◆ 後継者である相続人等の主な要件

後継者が総議決権の50%超の後継者の同族関係者の中で最も多くの議決権数を保有すること等。

◆ 先代経営者(被相続人)である被相続人の主な要件

先代経営者が先代経営者の同族関係者のうち後継者を除き最も多くの議決権数を保有していたこと等。

◆ 担保提供

納税を猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保を提供する必要あり。

◆ 相続税の申告期限

被相続人がその非上場会社の代表であった等一定の場合は平成22年2月1日まで延長

(平成20年10月1日から平成21年3月31日の間の相続開始の場合)。

◆ 継続保有が前提→「継続届出書」毎年提出(5年経過後は3年に一度)

申告後も引き続き特例の適用を受けた非上場株式等を保有すること等により納税の猶予が継続されるが、上場株式等を譲渡するなど一定の場合には猶予税額と利子税の納付を要する。

◆ 納税が猶予されている相続税の納付が免除される主な場合

後継者の死亡等があった場合には「免除届出書」を提出して猶予税額の免除が受けられる。

2)非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例

非上場株式等の贈与前に事業承継計画等について経済産業大臣の確認を受け、贈与後その贈与が法令の要件を満たしている(経済産業大臣の認定)場合には贈与税の納税猶予が受けられる。

※ この税制は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(平成20年10月1日施行)に基づく事業承継について適用されます。                  (廣島 清量)

2009年5月27日 (水)

■ 住宅取得のための時限的な贈与税の軽減

政府が正式に決定した追加経済対策の中でも目玉となっているのは「住宅取得のための時限的な贈与税の軽減」である。法律案要綱の段階のためまだ可決事項ではないが、すでにある制度との併用が可能であるため話題になっている。

具体的には、「平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に20歳以上の者がその直系尊属から受ける自らの居住用家屋の取得に充てるための金銭の贈与については、当該期間を通じて500万円まで贈与税を課さない」というものである。

直系尊属とは父母や祖父母などのことであり、親や祖父母などからの贈与をすべて合計したうちの500万円までが非課税になる。なお、当該期間を通じてということなので2年間で500万円となる。

居住用家屋については、注釈で住宅1カ所への適用に限定されているが、同時に取得する敷地や増改築も対象になる。

さらに注釈では、すでにある暦年課税または相続時精算課税の従来の非課税枠に合わせて適用可能としている。

暦年課税は従来通りの課税方法であり、110万円を超える贈与があった場合に以下の算式で贈与税を計算する。

( 贈与財産の価額 - 110万 ) × 税率 - 控除額 = 税額

この110万は贈与税の基礎控除額(毎年)であるが、追加経済対策によればこれに500万を合わせた610万までが暦年課税の非課税枠となる。

相続時精算課税は、65歳以上の親から20歳以上の子である推定相続人が財産を生前贈与された場合に、暦年課税との選択で適用できる制度である。父母からの贈与に対しそれぞれ2,500万円の控除額があり、これを越えた部分に対して一律20%の税率で課税される。

さらに同制度には「住宅取得等のための資金の贈与を受けた場合の特例」がある(平成21年12月31日まで)。この場合は親が65歳未満でも適用でき、2,500万円に上乗せで1,000万円の住宅資金特別控除額が追加され3,500万円まで控除が可能になる。この特例を適用すれば追加経済対策により4,000万円まで非課税枠が拡大する。

ただし注意点もある。相続時精算課税は生前贈与を行いやすくするための制度だが、いったん選択すると暦年課税には戻れない。また、相続時に精算しなければならずその際は贈与時の価額で計算する。選択するには十分に検討することが必要だ。               (岡村 香織)

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