2009年9月30日 (水)

■ クラウド・コンピューティングについて

我々中小企業においてもここ10年位前からパソコンを使って業務処理することが当たり前になり、インターネットの利用も急速に広まりつつあります。

ところで、インターネットを使ったコンピュータの利用技術は我々が気付かないうちに想像以上に進展していることをご存知でしょうか?最近、テレビ、新聞等のマスコミでクラウド・コンピューティングという言葉が話題になっているのもその一つです。

クラウド・コンピューティングとは、インターネットの先にあるサーバーに処理してもらうシステム形態を指す言葉です。我々ユーザーが何らかの作業を行うときに、自分の目の前にあるパソコンや会社のネットワークにあるサーバーではなく、インターネット上のサーバーを利用して処理してもらいます。クラウド(cloud)とは雲の意味で、インターネットを図示するのに雲のイメージをよく使うことからきています。

顧客管理や会計処理のような企業の業務アプリケーション、Gmailに代表されるメール・サービスやファイルを保存するストレージ・サービスのような個人向けのものまで、クラウド・コンピューティングと呼ばれるサービスは多数登場してきています。最近では、ワープロや表計算といった、パソコン上で使うのが当たり前だったオフィス・アプリケーションも出てきています。

従来のコンピュータ利用は、我々ユーザーがコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウド・コンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う」形になります。

我々ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パソコン、携帯情報端末とその上で動くインターネット接続環境)とサービス利用料金となり、処理が実行されるコンピュータ本体や蓄積されるデータなどの購入や管理の大半が不要となります。つまり、ITの利用も購入するかレンタルするか選択が必要な時代になってきたのです。                     (廣島 清量)

《10月23日(金)にセミナーを開催します!!》

      相続が開始したら、いつまでに、何をやるべきか?

① 法定相続人 ② 遺言について ③ 遺産の調査(特定、評価)④ 相続手続(遺産分割、相続人特定) ⑤ 相続税はどのように計算する 

〔お問合せ〕ひろしま会計事務所 担当:平林 0120-58-2571         

2009年9月 2日 (水)

■ 新規取引を開始する際の注意点は?

既存取引先との取引額の減少、又は取引の停止などによる売上高の大幅な減少に、頭を悩ませている経営者は多いでしょう。その現状を打開する方法として、新規取引先の開拓があります。とはいえ、新規開拓しようにも、「売上代金の回収ができるかどうか心配で、なかなか行動に移せない・・」といった声を良く耳にします。

 ある程度の売上が確保できていれば、多少のリスクを背負ってでも新規開拓に向けた行動を起こす事も可能かもしれませんが、売上が減少している状況下では、たった一社の不良債権が致命傷になりかねません。新規開拓の必要に迫られていない時期には行動できるのに、一番行動を起こさなければならない筈の時期に限って、貸倒れが心配で行動できない・・といったジレンマが、そこには存在するのかもしれません。

 しかし、会社の存続を考える以上、そのまま何もせずに流れに身を任せているだけでは会社の発展はおろか、存続さえ危ぶまれます。時にはリスク覚悟で行動しなければならない場合もあるでしょう。では、リスクを回避、もしくは軽減する為にできることは・・?

    当初取引は少額からスタート

売上を上げるためには、仕入や人件費など、経費が先にかかるケースが多々あります。この場合、取引額が大きくなれば先立つ資金も大きくなります。場合によっては、その為に借り入れの必要が出てくる場合もあるでしょう。そこまでした売上代金が万に一つでも回収できない・・などということになってしまっては会社の一大事です。そうならない為にも、最初は少額な取引から開始するというのが一般的な方法といえます。

ただし、数回少額な取引で相手を安心させたうえで、大きな取引になったとたん連絡がとれない・・などという例もあるようなので、油断は禁物です。

    代金を現金回収や、前受けの契約にする

売上債権自体が発生しませんので、貸倒れの心配がなくなります。

    有料ではありますが、商工会議所の信用調査サービスなども活用できます

商工会議所の会員限定サービスです。当事務所も会員となっております。ご依頼があれば代理で調査を承ることもできます。

    社長自身の直感が決め手です

決算書などの書類や、外部の調査も100%信用できるとは限りませんし、所詮は参考資料の一つにすぎません。やはり最終的には社長が自ら相手先に足を運ぶ必要があるのではないでしょうか?「百聞は一見にしかず」。実際に現地に行く事でしか得られない情報があるかもしれません。相手先の社長や、担当者が信用できる人物かどうか?会社の雰囲気や、従業員の働きぶりなど、直接その目で確かめてみてください。(斎藤 勝)

2009年8月19日 (水)

■ 会社を休眠にするには!!

会社を設立してみたものの、事業があまり上手くいかず一時的に休業したい、あるいは、現在事業をしておらず、会社を閉じようと思っているが、今後もしかしたら事業を再開するかもしれないと考えていらっしゃる方は、会社休眠の手続きを行うと良いでしょう。

通常、会社を閉じようとする場合、清算という手続きが必要になります。清算は、会社の財産をすべて処分し、株主に返還をする手続きです。この清算の手続きは煩雑でコストもかかることから、一般的には会社を休眠にし、放置をしてしまうことが頻繁に行われています。

休眠会社とは、解散・整理の手続きが行われず、登記上は存在するが実際の営業活動は行っていない会社をいいます。

①休眠会社の手続き

現在活動中の会社を休眠にするには、税務署・都道府県税事務所・市町村役所に休眠の届出(異動届出書)を提出する必要があります。この異動届出書に休眠の旨を記載して提出するだけで他の手続きは必要ありません。

②税務申告

休眠中も税務申告は行う必要があります。法人税確定申告書の別表1に会社の納税地、会社名等を記載し、中央に「休業中」と大きく書いて提出すればOKです。都税事務所、市役所等への提出も同様です。

また、過去の赤字を将来の黒字から差し引くことのできる繰越欠損金という制度がありますが、これ

は連続して確定申告書を提出していないと適用されません。

③納税

 営業活動がなければ法人税・消費税はゼロとなりますが、地方税の均等割だけは原則として納付しなければなりません。しかし、自治体によっては均等割が免除されるところもあります。これは自治体によって対応が異なり、免除にならない地域もありますので、詳細は納税地の自治体にお尋ね下さい。

④登記について

有限会社であれば問題はありません。株式会社の場合は休眠中も役員の重任登記が必要です。取締役の任期を10年に延長している会社についてはしばらくは必要ありませんが、休眠中だからといって登記が免除されるわけではありません。(伊藤 淳二)

2009年8月 5日 (水)

~21年9月分からの健康保険料率について~

主に中小企業が加入するとされる政府管掌健康保険の保険者は、平成20年10月より公法人である全国健康保険協会(協会けんぽ)となりました。

しばらくの間は政府管掌のときと同じ保険料率でしたが(8.2%)、今年の9月分(一般被保険者の場合は10月末納期限)より、都道府県ごとに設定されることとなります。

1都3県の保険料率は以下のとおりです。(事業主負担分+被保険者負担分)

 東 京 都  8.18%  千 葉 県/埼 玉 県  8.17%  神奈川県   8.19%

ここで注意すべき点は、

①自分の住所ではなく、勤務先の住所の都道府県の料率が採用される。

②同じ会社でも事業所の都道府県が違えば保険料が異なる場合がある。

ということです。

◆②について

都道府県毎に地域の医療費を反映した新しい保険料率が設定される

=所属する都道府県によって保険料の負担が変わってくる

会社がどこで申請したかによる

勤務先の会社が東京本社で一括して「協会けんぽ」に申請をしていれば、従業員はどこに住んでいても、東京都の保険料率で保険料が決まります。

 反対に、地方に本社がある会社がその本社で保険の申請をしていれば、従業員はその地方の都道府県の保険料率で保険料が決まります。

このように、同じところに住んでいても勤務先によって保険料が変わってくることがあるのです。

また、同じ会社に勤務しても保険料が違ってくる場合があります。

具体的には会社が事業所ごとに保険の申請をしていた場合、同じ会社でもどの事業所に所属しているかで保険料が変わるということです。                   (廣島 三津子)

◇ 夏休みのため8月12日(水)の掲載はお休みさせていただきます。 

2009年7月29日 (水)

■ 社会保険料等の延滞金軽減法が成立

現下の厳しい経済社会情勢の影響を受け、資金繰りに苦しむ中小企業等が

社会保険料の支払いに困窮し滞納することが増えてきました。

そこでこの度、そのような事業主等の経済的負担の軽減を目的とし、納期限

から一定期間の日数については、延滞金利率を軽減する法律が成立しました。

社会保険料は毎月の健康保険料及び厚生年金保険料を翌月末までに事業主が納付することとなっていますが、このうち半分は従業員負担分であり従業員から預かっているものであることから、滞納に対しては厳しい措置がとられていました。
 現行では企業が厚生年金保険料や健康保険料、労働保険料などを滞納した場合、納期限の翌日から納付の前日までの期間、年14.6%の延滞利息が徴収されています。

今回の改正で、これが納期限から3ヵ月以内に限り、日銀が定める基準割引率に4%を加算した利率(21年度の場合4.5%)に引き下げられます。

※ 労働保険料については年1回の徴収であることや申告方式であることから軽減される期間は2ヶ月間です。

※ 軽減利率が適用されるのは平成22年1月1日以後に納期が到来するものからです。

 <税務上の処理>

 社会保険料の延滞金は会計上支払利息等として処理し、税務上(法人税等の課税所得の計算上)も経費に計上することが出来ます。

これに対し、国税や地方税を滞納した場合に課される延滞税等(利率は社会保険料と同様に年14.6%(納期限から2ヶ月間は4.5%))は会計上租税公課等として処理しますが、税務上は経費から除外されてしまいます。

今回の改正で税金を滞納した場合の延滞税等と社会保険を滞納した場合の延滞金の利率が同じになるため、税務上経費から除外されてしまう延滞税の元となる税金から先に納付したほうが有利ではありますが、社会保険料の延滞金も軽減されたとはいえ高い利率で課され

てしまうため、延滞をしないに越したことはありません。 (水田 裕之)

2009年7月22日 (水)

■ セーフティ共済で倒産防げ! 節税にも利用できる!!

中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)への加入企業が増えている。昨年来の景気悪化の煽りを受けて、企業倒産が相次ぐためで、平成20年度は同19年度より約1万件増加した。月々の掛金は、全額を損金に算入できるとあって、リスクヘッジに加え節税もできるという点も加入に拍車をかけているようだ。

 同共済は、取引先が倒産し売掛金などが回収できない場合、掛金総額(上限320万円)の10倍相当額または回収が困難となった売掛金などの金額(上限3,200万円)のいずれか少ない金額を、無担保、無保証人、無利子で借入れできるという制度。連鎖倒産の防止が目的とあって、融資実行のスピードは非常に速く、昨年度の融資実行までの平均日数は10日だ。

 同共済の月々の掛金は、5千円から8万円の範囲内で設定でき、この掛金は全額を税法上損金算入できる。また、積み立てた掛金は解約時に、加入期間に応じて設定されている割合で返金(40カ月加入で全額返金)されるため、会社の業績が好調なときに掛金を積み立てておき、業績が悪化したときに解約することで、リスクヘッジに加えて節税、貯蓄を効率良く行うことができる。

また、掛金の前払いも可能なため決算期末に1年分前払いすることで、その事業年度に1年分の前払掛金を損金算入できる。

 さらに、東京都(東京都以外でも13の自治体)では同共済の掛金の一部を助成してくれる。

 対象は新たに共済に加入し、共済掛金を6ヶ月以上納付した中小企業で、助成額は加入後6か月分掛金の4分の3、1件あたりの助成上限額は36万円(掛金上限8万円×6ヶ月×4分の3)である。  (廣島 清量)                               

2009年7月 8日 (水)

■ 役員借入金について

業績の悪化から役員報酬の全部または一部が未払いになっている、または会社の資金繰りの悪化から、会社の運転資金を社長個人が捻出している・・こういった場合の未払い分又は社長が貸したお金は、会社の決算書などでは未払金または役員借入金として負債に計上されています。本来これらは社長にとって、会社に対する債権であり、業績回復などを機に会社から返済してもらう事が望ましいといえますが、過年度からの積もり積もった多額の役員借入金が計上されている場合などで、中には「もう全額を返済してもらうのは難しい・・」といったケースもあるのではないでしょうか?     

 それでは、それらを解消する方法を考えてみましょう。

★役員報酬減額分の補填として

業績が悪化しているから・・という理由で役員報酬を減額するケースがあります。とはいえ、社長個人にも生活がありますから「これ以上下げてしまっては・・」という事もあるでしょう。その場合には、減額した報酬分を役員借入金の返済で賄うという方法があります。報酬を下げるので所得税や社会保険料負担が減少する一方、個人の生活費は確保できます。会社としては、報酬として支払うか、借入金の返済として支払うかの違いだけです。また役員報酬を途中で変更する事は難しいですが、借入金の返済であれば資金繰りの都合によっては返済額を減らすなどの柔軟な対応も可能です。当然役員報酬が減少する分、利益が出やすくなりますので、欠損金などがある場合に検討してみると良いでしょう。

★債務免除による解消

役員借入金の返済を免除することで、負債を減らす方法です。本来であれば、会社に貸したお金ですから全額返してもらいたいところではありますが、なかなかそうはいかないといった場合に、いっそのこと放棄してしまうことで会社の負債を解消できます。ただし、免除した役員借入金の額と同額が会社にとっては利益となりますので、繰越期間7年の間に利益と相殺できる可能性が低い多額の欠損金がある場合などに、その範囲内で行う方が良いでしょう。

★負債から資本金へ

もともと役員借入金は、負債として決算書に計上されているものの、その性質は資本金に近いといえます。一連の手続きによりこの役員借入金を資本金に振り替える事ができます。

先にも述べたとおり、役員借入金は社長の会社に対する債権なのでその額は相続時の財産に含まれます。返済される財産ならともかく、そうでなければ、まったく意味がありません。

実際にお金を動かすことなく、会社の財務状態を改善することが可能ですが、注意点としては  ①時価での増資となる為、その借入額が客観的にみて、どうみても返済不可能である場合などは差額が債務免除益等として課税される恐れがあること、②増額する資本金の額によっては、法人が赤字でも支払う住民税の一部(均等割り額)が増加してしまうといったことがあげられます。

                                   (斎藤 勝)

2009年6月17日 (水)

■ 労働保険の事務処理上の注意点

労働保険の年度更新の時期です。申告書が届いてお気づきかと思いますが、今年度より申告期限が5月20日から7月10日に変わりました。ただし、保険年度(4月1日~3月31日)の変更はありません。

なお、延納(3回の分割納付)の納期限も変更となり、第1期7月10日、第2期10月31日(今回は11月2日)、第3期1月31日(今回は2月1日)です。

7月10日といえば、厚生年金・健康保険料を決定する「算定基礎届(定時決定)」の提出期限と同様です。期限は同じですが、こちらは4・5・6月に実際に支払った賃金をもとにするもので申告する内容は全く別のものです。従業員を多く抱えているところなどは、混乱して間違いのないようにしましょう。

 労働保険の申告をするうえでの注意点は会社によってさまざまですが、今回は間違いがちな点をいくつかお知らせします。

【年齢による注意点】

 毎年4月1日の時点で64歳以上の方は雇用保険料が免除となるので、これらの方に支払った賃金は雇用保険の算定基礎となる賃金から除外されます。

そのため、雇用保険に加入している方が4月1日の時点で64歳以上の場合は毎月の給与から雇用保険料は控除しないように注意しましょう。

【賃金総額が著しく下がったまたは増加した場合】

 概算保険料の欄に労災・雇用保険分の賃金総額の見込み額を記入する欄がありますが、原則は前年度確定賃金総額と同額を記入します。ただし、前年度と比較して2倍を上回る場合または2分の1を下回る場合はその見込み額を記入します。

【延納時の各期金額を計算した際の端数処理】

 概算保険料が40万円以上になった場合などは、3回に分けて納付ができます(延納)。

 1期ごとの金額を出す際(÷3をする際)に余りが生じた場合は、すべて第1期分へ加算します。

【その他の注意点】

・事業を廃止した場合も申告書の提出は必要です。

    「一般拠出金」については石綿と関係のない業種についても負担するものです。                                   (廣島 三津子)

2009年5月20日 (水)

■ 新たに始まった正社員採用助成金「ネクストジョブ」事業

東京都及び東京しごと財団は、就職氷河期に就職活動が重なり、正社員にならないまま派遣やアルバイトなどの非正規雇用の仕事で生計をたてている30歳代の人達が、正社員として就職できるよう支援するための専用窓口を平成201127日、千代田区内に開設しました。

それに伴い、上記求職者を正社員として6ヶ月以上雇用した企業に対し、1人当たり60万円の助成金を支給し、3年間で1000人の正規雇用をめざすとしています。

★助成金支給の要件

・東京都内に本社又は事業所が所在していること。

・過去5年間に重大な法令違反等がないこと。

・都税の未納付がないこと。

・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122)2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、同条第11項に規定する接客業務受託営業及びこれらに類する事業を行っていないこと。

・しごとセンターから紹介された30歳代の求職者を正社員として採用し、採用の日から通算して

6ヶ月以上、都内の本社又は事業所で雇用していること。

※ただし、採用の日から過去6ヶ月間に助成事業者の事業所等で勤務した者を除く。

・事業対象者の採用後、ジョブコーディネーターの職場訪問及び定着支援を受け入れる事。

★助成金受給までの流れ

求人登録 → 求職者とのマッチング → 採用 → 定着支援 → 助成金支給

 

期間は3年間、将来的には変更がある可能性もありますが、現時点では定員1000人までとなっております。正社員採用をお考えの経営者の方は、検討してみてはいかがでしょうか?

問い合わせ:東京しごとセンター

102-0072 東京都千代田区飯田橋3-10-3 TEL03-5211-2804

詳しくは612日、当事務所開催のセミナーにてご説明させていただく予定です。

ご参加ご希望の方は、担当者へお知らせ下さい。         (斎藤 勝)

《不況対策セミナーのご案内》

   日時 平成21612日(金)17:0020:00

   場所 ひろしま会計事務所 セミナールーム                    内容 国などが打出している不況対策の内容と活用方法の解説

お申込み 0120-58-2571 担当 平林

2009年4月22日 (水)

■ 雇用保険法の改正について

《雇用保険料率の改正》

新年度に入り、雇用保険率が改定されました。給与計算の際には注意が必要です。

また、労災保険率も改定されています。これは労働保険の申告(今回より申告期限が7月10日までとなります。)の際に必要となりますので、確認しておきましょう。

雇用保険率の改定後の率は以下のとおりです。

【改定後】

(事業の種類)

雇用保険率

被保険者負担分

事業主負担分

一   般

0.011

0.004

0.007

農林水産清酒製造

0.013

0.005

0.008

建   設

0.014

0.005

0.009

《雇用保険の改正》

雇用保険法の一部が3月31日より変わりました。

主な改正事項は昨年より続く厳しい雇用情勢を踏まえたものです。

離職を余儀なくされた方のための再就職支援の機能を強化するものをはじめ、事業主にも注意すべき改正があります。

「厚生労働省HP内 平成21年雇用保険制度改正関連資料」URL

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/index.html

事業主にとって注意すべき項目のひとつに「雇用保険の適用範囲の拡大」が挙げられます。

 短時間労働者及び派遣労働者の雇用保険の適用基準を以下の通りとした。

6ヶ月以上

の雇用見込みがあること

かつ

1週間当たりの所定労働時間が20時間以上であること

 雇用保険は上記の要件を満たす者であれば加入義務が発生します。(適用除外に該当する者を除く)

 「どうせアルバイトだから」「手続が面倒だから」などという理由で加入しないと、例えば、助成金を受けたいと思っても、雇用保険に入るべき者の手続を怠っていたなどという場合には、助成金を受けられない可能性があります。

 また、万が一従業員が退職を余儀なくされたときに適切な手続をしていないことにより、失業給付を受けられず、トラブルになる可能性もあります。特に今日ではそのような問題が多く出てくるかもしれません。

新年度を迎えた今、新入社員を受け入れていなくとも一度従業員の雇用契約・加入状況を見直してみてはいかがでしょうか?                    (廣島 三津子)

2009年4月 8日 (水)

■ 中小企業緊急雇用安定助成金

昨年の10月頃からの急速な景気変動に起因して大幅な受注量、売上高が減少している中小企業が増えています。これらの中小企業では雇用を維持することが不可能な状況が出てきており、企業の存続のためにはリストラも視野に入れるが、もし、何らかの方法があれば、せめて一年程度は雇用を維持して次のチャンス待ちたいと考える経営者も多いことと思います。このような中小企業のために国が実施している「中小企業緊急雇用安定助成金制度」をご紹介します。

《中小企業緊急雇用安定助成金》

世界的な金融危機や①景気の変動などの経済上の理由による企業収益の悪化から、生産量が減少し、②事業活動の縮小を余儀なくされた③中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に④休業、教育訓練又は出向させた場合に、休業、教育訓練又は出向に係る⑤手当てもしくは賃金等の一部を助成します。(平成20年12月から当面の間の措置、平成21年2月6日一部見直し、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク)

    景気の変動などの経済上の理由とは

次のような理由は含まれません。イ)例年繰り返される季節変動によるもの ロ)事故又は災害により施設又は設備が被害を受けたことによるもの ハ)法令違反等による行政処分等によって事業活動の全部又は一部の停止を命じられたことによるもの。

    事業活動の縮小とは

本助成金の支給を受ける前提となる「事業活動の縮小」とは、次の用件を満たすこと。

イ) 売上高又は生産量等の事業活動を示す指標の最近3ヶ月の月平均値がその直前3ヶ月又は前年同期と比較して減少していること。ロ)原則として前期決算等の経常利益が赤字であること。

    中小企業事業主とは

小売業(資本金5千万円以下又は従業員50人以下)卸売業(資本金1億円以下又は従業員100人以下)サービス業(資本金5千万円以下又は従業員100人以下)その他の業種(資本金3億円以下又は従業員300人以下)

    支給対象となる休業、教育訓練又は出向とは

《休業》事業主が自ら指定した対象期間内(1年間)に行われるものであり、労使間の協定による休業であること(対象期間、労使間協定等の条件以下同じ)。

《教育訓練》就業規則等に基いて通常行われる教育訓練ではないこと等内容に条件あり。

《出向》出向期間が3ヶ月以上で1年以内で出向元に復帰が必要等の条件あり。

    支給を受けることのできる額

休業手当又は賃金に相当する額として厚生労働大臣の定める方法により算定した額の5分の4。ただし、1人1日当たり雇用保険基本日額の最高額が限度。教育訓練を実施した場合は、訓練費1人1日当り、6千円を加算。支給限度日数は3年間で300日(最初の1年間は200日分)です。

 都道府県労働局又はハローワークへの事前届出

「休業等実施計画届」等の事前届出が条件になっています。(廣島 清量)

2009年4月 1日 (水)

■ 公的融資について

現在の不況に対応するため政府は様々な融資対策を行っています。

そこで中小企業が利用しやすい公的融資の概要をご説明します。

融資は大きく分けて「公的融資」と「民間金融機関の融資」の2つに分類されます。中小企業が活用しやすいのは公的融資であり、「政府系金融機関(日本政策金融公庫※)の融資」と「信用保証協会の保障付き融資」があります。

※平成20年10月1日に国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫および国際協力銀行(国際金融等業務)が統合し、新たに株式会社日本政策金融公庫となりました。

日本政策金融公庫は民間金融機関では対応の難しい分野で小口融資や創業支援を推進しており、金融秩序の混乱や大規模災害等の危機発生時において国の財政支援を受けて指定金融機関に対して貸付等を行っています。

現在、指定金融機関となっているのは商工組合中央金庫と日本政策投資銀行です。日本政策投資銀行については、今年の3月10日に政府が同銀行に対し企業の資金繰り支援など危機対応に向けた基金を創設する検討に入りました。政府はこの案を21年度予算の成立後にまとめる追加対策の軸とする方向です。日本政策金融公庫においても最近のセーフティーネット貸付の実績は大きく伸びており、今年に入ってからは前年に比べ約250~350%増となっています。

こうしたことから今後融資が実現する可能性は高いと考えられます。

また、信用保証協会は中小企業が民間金融機関から融資を受ける際にその債務を保証することで中小企業の資金繰りの円滑化を図ることを目的とし、信用保証を行っています。利用するには信用保証料を支払うことになりますが、保証協会によっては担保を提供したときや業績が良好な場合には保証料が割安になります。

中小企業の借入限度額は、一般的に日本政策金融公庫では普通貸付が4,800万円以内、セーフティーネット貸付が別枠で同額4,800万円以内となっています。信用保証協会では普通保証の2億円と無担保保証限度額と同額の8,000万円を合わせた2億8,000万円を最高限度額としていますが、これらの一般保証限度額とは別枠で保証限度額が設けられています。ただしセーフティーネット貸付等の危機対応策の融資は申し込み期間が短期のものが多いため注意が必要です。

経済情勢の悪化により中小企業の資金繰りが正念場を迎えている今、こうした公的融資制度を活用するのも一つの手だと思います。                      (岡村 香織)

2009年1月21日 (水)

■ 現在の金融環境下における銀行の事情

金融を取巻く環境は日々激しく変化しており、私ども中小企業も、この「金融環境の変化」と、この環境下での「銀行の事情」、「銀行の意思決定ルール」を注視・理解しておく必要があります。

● 改正金融機能強化法について

銀行が「改正金融機能強化法」を活用し、公的資金を使って自己資本比率を引き上げることにより、中小企業への融資余力が高まることになりそうです。この法律は、「健全な金融機関にも予防的に公的資金を注入し、資本増強できるようにした旧金融機能強化法」を改正したもの(平成20年12月17日施行)です。新法では、経営責任を一律には問わないなど資本注入の要件が緩和され、金融機関の申請を促し、中小企業向け融資の円滑化を図る内容となっています。一方で金融界は「公的資金による救済」との風評被害が広がることを懸念し、活用されるかどうか不透明な部分もあります。

● 銀行の意思決定ルールについて

銀行の経営者が最も注意を払う経営指標が自行の自己資本比率(自己資本/リスクアセット)(注1)です。銀行が100%保証のノーリスク緊急経済対策融資(セーフティネット保証による融資)を渋る要因をこの指標に関連させてご説明いたします。

1)いわゆる信用保証協会付貸出(緊急経済対策の100%保証か80%の通常保証かに関係なく)も、自己資本比率計算上10%だけリスクアセットを増加させます(=分母の増加=自己資本比率の悪化)。

2)金融検査マニュアルに従った債務者区分の自己査定において、銀行側の要注意先債権に対する引当・償却処理方針が自己資本比率に影響します。その処理方針は、債権総額に対して予測損失額を見積もる方法と債権総額から優良保証や優良担保の処分可能見込額により保全されている債権部分を除いて引当処理をする方法があります。前者の方法を採用している銀行の場合(=分子の減少=自己資本比率の悪化)、貸出に消極的になり、後者を採用している銀行の場合は前向きに取り組み易いと言えます。

3)サブプライム問題に端を発した金融危機や世界同時不況の影響で、多くの金融機関が運用する有価証券について、多額の評価損(=分子の減少=自己資本比率の悪化)が発生しているようです。

(注1)銀行の自己資本比率

 銀行の経営状態の健全性をチェックする指標。一般企業の財務諸表における自己資本比率とは異なる。リスクアセット(総資産のうち、万が一の場合に貸倒れの可能性がある資産)に対して資本金などの自己資本がどれくらいあるかを示す指標を指す。国際業務を行っている銀行は「新BIS規制」が適用され「8%以上」、国内業務のみ行っている銀行は「金融庁規制」が適用され「4%以上」が健全性の基準となっている。この基準を下回ると、当局より早期是正措置が発動され、業務改善命令、ひいては業務停止命令の対象となる。(久保 康高)

2009年1月14日 (水)

現在の雇用環境と賃金計算上の問題点

● 景況判断指数が最低値更新 雇用も「過剰」鮮明に!

 財務省と内閣府は、平成20年12月24日、同年10~12月期の法人企業景気予測調査を発表した。大企業・全産業の景況判断指数(BSI=景気が「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を引いた数字)はマイナス35・7。これまでの最低値だった同年4-6月期のマイナス15・2を更新し、過去最悪となった。

 調査が行われたのは同年11月下旬。世界的な景気悪化による輸出の急激な落込みや、円高で業績悪化が予想以上に進んでいることを主因に、同年7-9月期のマイナス10・2から大幅に悪化。中堅企業・全産業の同年10-12月のBSIはマイナス33・3、中小企業・全産業はマイナス40・7だった。

 業種別でみると、国内での新車販売不振にあえぐ自動車関連の業況判断の悪さが際立っている。同年10-12月期は大企業ベースでBSIがマイナス83・6で、同年7-9月期のマイナス18・1から急速に悪化した。

 一方、同年10-12月の雇用判断のBSI(従業員が「不足気味」と回答した企業の割合から「過剰気味」と回答した「企業の割合を引いた数字」は、製造業で大企業、中堅企業、中小企業ともに「過剰気味」と回答。雇用調整の一段の加速が懸念される。

 国内の景況について大企業・全産業でマイナス63・8、中堅企業・全産業、中小企業・全産業でそれぞれマイナス65・0、マイナス66・8と、いずれも2004年4月の調査開始以来、最低の水準となった。(廣島 清量)

● 二重労働者の時間外割増の計算に注意!

上記のような環境の中、期間労働者や派遣労働者の雇用契約解除が問題となっています。

不況下で仕事先を見つけるのが難しい中、やはり働けるのであれば働きたいと思う一方、フルタイムでの仕事を探すのは困難なため二重労働(複数の職場を兼業する)という道を選ぶ人もいるでしょう。

労働時間や賃金をめぐるトラブルは会社にはつきものですが、二重労働者については

特に注意が必要です。

労働基準法では法定の労働時間を「140時間・18時間」と定めており、これを

超える場合は割増賃金支払の義務が発生します。

労働基準法第381項には「事業場を異にする場合も、労働時間の適用に関する規定の適用については通算する」と定めており、“事業場を異にする”とは「事業を異にする場合も含む」とされています。

そこで会社として気になるのは「どちらの事業主が割増賃金支払の義務を負うのか」ということだと思います。

 原則としては「後で労働契約を締結した事業主」です。後から契約する事業主は、「労働者が他の事業場で労働していることを知りながら契約を締結する立場にある」からです。(廣島 三津子)

2008年3月31日 (月)

最近の経営環境での中小企業対策について(中小企業庁サイト情報抜粋)

原油価格の上昇や建築着工件数の落ち込み等により、これらの影響を受ける中小企業において収益圧迫や資金繰りの厳しさが増すなど、中小企業を巡る経営環境は厳しくなっている。

こうした事態を踏まえ、政府は下記の対策を講じている。

◎原油価格高騰に関する対策

○資金繰り円滑化

1)政府系中小企業金融機関のセーフティネット貸付、信用保証協会のセーフティネット保証

  • セーフティネット貸付の限度額 中小企業金融公庫・商工組合中央金庫:4億8,000万円、国民生活金融公庫:4,800万円 ※担保・保証条件の特例措置あり
  • セーフティネット保証の限度額 普通保証2億円、無担保保証8,000万円

2)政府系中小企業金融機関や信用保証協会に係る既往債務に関し、個々の中小企業者の実績に応じた返済条件の緩和を行っている

○下請け適正取引等の推進

ガイドラインを設け種々の対策を講じている

◎改正建築基準法の施行に伴い、建築関連中小企業の業況悪化に対する金融上の支援

1)セーフティネット貸付制度

政府系中小企業金融機関による運転資金の融資制度

  • 建築確認、けんちく着工の減少等による幅広い業種が対象
  • 一般貸付及び普通貸付と比べ、融資限度額や元金返済据え置き期間に優遇措置あり
  • 担保条件の特例制度が利用可能

2)セーフティネット保証制度

各都道府県等の信用保証協会の債務保証

  • 一般保証と比べ、保証限度が別枠となるとともに、割安な保証料での保証が可能
  • 指定業種に属し、最近3ヶ月間の売上等が前年同月比-5%以上の事業者が対象となり、市町村長の認定が必要

◎小規模・零細事業者の年度末金融の円滑化の推進

金融繁忙期である年度末の小規模・零細企業の資金繰りを円滑化するため、国民生活金融公庫の第三者保証不要融資制度の融資限度額を、現行の2,000万円から、セーフティネット融資等の融資限度額である4,800万円に引き上げる

以上の融資等に関する問い合わせは、政府系金融機関、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業庁・経済産業局に設置されている特別相談窓口で受け付けている。

(廣島 清量)

2008年1月15日 (火)

金融事情について

我々中小企業にとって銀行との良好な関係構築は重要な経営対策の一つである。そのためには時代とともに変化する銀行の事情を知る必要がある。近年、銀行を取り巻く環境は以下のように大きな変化をしている。

  • メガバンクの誕生…バブルが崩壊し、金融ビッグバンが進められた結果、大手都銀は経営合理化を目指し合併を進めた。
  • 規制緩和の進展…銀行/証券/信託銀行/保険の業態間の総合参入、投資信託の銀行窓口販売の解禁、金融持株会社の解禁、銀行業務への新規参入などが認められ進められてきた。
  • 不良債権処理の進展…金融庁の指導のもと不良債権処理のルール化が行われ、厳格な企業の格付けによりメガバンクについてはほぼ不良債権処理は完了しているといわれる。地銀、第二地銀については地域の老舗企業との関係等により不良債権処理は遅れているようである。
  • 政府系金融機関の改革…巨大民間銀行である郵便貯金銀行をはじめ日本政策金融公庫(国民生活金融公庫/中小企業金融公庫等の統合)の発足、商工中金の民営化

以上のような環境変化によって銀行を取り巻く経営環境は競争激化の様相はますます強くなり、銀行は経営合理化を図り、組織の再編、業務の効率化を進め、収益構造も次のように変えつつある。

・手数料自由化・金利ビジネスからフィービジネスへ・ビジネスマッチングの強化・事業承継対応強化、M&Aの紹介・新商品開発(ビジネスローン、預金連動型住宅ローン等)

地銀、第二地銀はメガバンクとの差別化を図ることを目指し、メガバンクが業務効率化の観点からあまり相手にしないような中堅・中小企業をメインターゲットとすることが考えられる。

銀行員の仕事の環境は、合理化による銀行員一人当たりの仕事量の増加、規制緩和による取り扱い金融商品の増加、個人情報保護法、金融商品取引法等のコンプライアンス強化への対応等により顧客の状況を今までのように細かく見ていられなくなってきている。

以上の銀行事情から我々は銀行との良好な関係を築く上で次のような対応が考えられる。

  1. 自社の規模に合った銀行を選択する
  2. 投資信託等の多様化した銀行商品の知識習得に努める
  3. 銀行は取引ルールが確立されてきており、特に企業の格付けの中心は決算書分析であるので決算書に関心を持った計数管理経営が必要となってきている
  4. 銀行員の仕事量が増加しているので我々は自社のことを簡潔かつ詳細にわかってもらう「説明責任」を果たす努力が必要である

(廣島 清量)

2007年11月12日 (月)

自社の商品・サービスの販売を検討する場合

自社の商品・サービスの販売、あるいは新規事業の立ち上げ等経営目的を検討する場合には、自社の有する経営資源と自社を取り巻く経営環境について客観的な分析が必要であるとされています。

分析の方法として最近の経営書によく登場するSWOT(スワット)分析をご紹介致します。4つの領域に分けて、自社にとってプラスに働くものとマイナスに働くものを分けて考えて行きます。

  • 強み(Strength)競争相手よりも優れていると考えられるもの
  • 弱み(Weakness)改善が必要なこと、劣っていること
  • 機会(Opportunity)ビジネスチャンスになりうるもの
  • 脅威(Threat)自社の経営目的を脅かしそうな外部の動き

内部環境(強み・弱み)、外部環境(機会・脅威)についてできるだけ多くの項目をピックアップすること、社長一人で行うよりも役員や従業員と一緒に考えることが効果的であると言われています。複数で検討する場合は特に経営目的が明確で共有されていることが必要です。

抽出されたSWOT項目を整理して「強み」でどう「弱み」をカバーするか、あるいは「機会」に生かすか等、さらに検討を進め戦略を練り上げていきます。

SWOT分析のメリットは

  1. 自社の現状がより明確になる
  2. 経営目的、戦略が全社で共有できる
  3. 新しい発見(気づき)を得られる

ことです。

(廣島 清量)

2007年9月25日 (火)

経営改善について

企業の外部環境は絶えず変化している。我々はその環境に適応するため、仕事のやり方、顧客との関係、種々のしくみ等の改善を迫られている。

改善は次のような手順で進められる。 

現状分析⇒問題抽出⇒原因究明⇒改善活動

  1. 現状分析・・・決算書(3期から5期)の時系列分析から入り、部門別、店舗別、製品・サービス別、顧客別、営業マン別等の人別等へと分析の範囲を広げてゆく。この場合、ただ広げるのではなく仮説を立てて絞り込みを行ってゆく。また、決算書分析では同業種同規模他社との財務数値の比較が有効である。従業員一人当たりの財務数値の比較もそのひとつである。
  2. 問題抽出・・・普通、問題は複数抽出される場合が多いので、絞り込むなりプライオリティーをつけて取り組んでゆく。また、複数の問題が相互に関連している場合も多い。最も多い問題は労働分配率が高いことである。労働分配率は粗利益に占める人件費の割合で示される。「労働分配率が高い」とは、稼ぎのわりに人件費が多いあるいは人件費のわりに稼ぎが少ないことを示している。
  3. 原因究明・・・上記の問題の原因としては、①アイドルタイム(稼いでいない時間)が多い②稼ぎ手が複数の余計な仕事を持っていて稼ぎに専念できない③社長が自力主義で、自分にしかできないと思い込み、従業員に仕事を振れないため、社長は忙しすぎて管理に専念できない等々
  4. 改善活動・・・仕事のたな卸しをしてみる。例えば稼ぎ手の仕事を稼ぐ仕事事務的なルーチンワークとに分けルーチンワークは人件費の安いパートさんにやってもらう等である。

実際には種々のことが関わっておりそう簡単にいかないのも事実です。定期的な計数チェックをお勧めします。「数字を見て考えているとふと気づいたり、見えたりすることがある」とある社長さんが言っておられました。

(廣島 清量)

2007年7月30日 (月)

自社の決算書分析にお役立て下さい

以下は全国の中小企業従業員(含役員)一人当たりの決算数字(黒字企業平均)です。(TKC平成17年分を参考)

Tkc

(注1)売上高から変動費(仕入・外注費等の売上の増減に比例して増減する費用)を控除した金額です。

(注2)人件費・設備費・金利・その他の販売管理費で、売上の増減に関らず短期的には固定して支出されます。

一人当たりの数字にしてみると企業の大小に関らず比較することが可能です。ただし、売上高については業種・取扱商品等によってかなり差がでることが表から読み取れます。

自社の決算書の数字と比較すると自社の強み・弱みがわかり、今後の対策の参考になると思います。ご不明な点がありましたら当所スタッフにご相談下さい。

(廣島 清量)

2007年6月25日 (月)

社会保険・将来重大なミスが発覚しないために・・・

最近、ニュースなどで名前・生年月日等の登録間違いで本人と確認できないために「受け取る年金の額が少ない」「年金を受け取ろうとしたら保険の加入履歴がなかった」ということが話題になっています。

社会保険事務所でのミスという指摘が大半のようですが、会社が従業員の資格取得の届出をするときから注意をすれば、ミスを防ぐことができます。

例えば健康保険証の発行をした際は、必ず担当者が記入間違いはないか目を通してから本人に渡すなど、確認をするように心がけると良いでしょう。

また、生年月日は一見必要のないものと思われがちですが、介護保険料や雇用保険の免除対象高年齢労働者に該当する時期を把握するために重要であると言えます。

介護保険に関しては、毎月の給与計算の際には常に意識していなければなりません。

(廣島 三津子)

2007年6月11日 (月)

自社の決算書を見る目的は

決算書を見るときそこには必ず目的があるはずです。

税務署の目的は何でしょうか、それは当然、その会社の課税所得が法令に従って正しく算定されているかどうか分析するためです。金融機関の目的は何でしょうか、それは少なくとも貸したお金が、その返済期間中、その会社が継続して返済し続けられるかどうかに主眼が置かれることは確かです。

社長さんが自社の決算書を見る目的は何でしょうか、実はほとんどの社長さんが出来上がってしまった決算書にはあまり関心を示さないようです。社長さんは前向きな人が多いのでしょう、済んでしまったことには興味が湧かない、解かるような気がします。

社長さんが自社の決算書を見る目的は、会社の将来を考えるヒントとするためであると言われています。“済んでしまったこと”出口を見る意識ではなく、“これから行うこと”入口を意識して決算書を見ていただきたいと思います。

決算書は会社の大小に関わらず社長さんの意思、管理活動の結果がそのまま反映されています。

会社の活動は“お金の活動”と“儲けの活動”に分けられます。

“お金の活動”は貸借対照表、“儲けの活動”は損益計算書によって見ることができます。

貸借対照表は資金の調達と運用状況を表しています。長い間に習慣化された会社の性格が出ていて、我々は“資金体質”と言っています。毎年利益が出てるのにいつもお金が足りない、資金体質を改善する必要があります。損益計算書は儲けの力を表しています。「損益計算書」はその事業年度の結果がシンプルに出ているので「貸借対照表」よりも理解しやすいと言われています。しかし、詳しく収益体質を見るためには「損益計算書」を専門的な方法によって分析する必要があります。結果、収益体質改善のヒントと目標が明確になります。

是非、経営意思決定の参考資料である決算書に興味を持っていただき、専門的に決算書をどう読み解くかは私ども会計事務所をご活用下さい。

(廣島 清量)

2007年5月14日 (月)

労働保険の年度更新

今回は18年度の労働保険料(確定保険料)を精算し、19年度の概算保険料を納付します。改正雇用保険法の成立が遅れたため、例年と異なり6月11日(月)が納付期限です。(2期・3期は例年通りです)

雇用保険については18年度の確定保険料を計算するには改定前の保険料率を、19年度の概算保険料の計算には改定後の保険料率を使用する、ということに注意して下さい。

概算保険料が40万円以上のときは3回の分割払いが認められていますが、労働保険事務組合に事務委託している場合は保険料の額に関係なく延納ができます(確定保険料を除く)。

(廣島 三津子)

2007年5月 1日 (火)

中小企業の経営革新を支援する施策の活用メリット

企業の外部環境は絶えず変化していてその対応が求められています。例えば飲食店などは5年間何もしないと売上が60%になるといわれています。従来と異なる取り組みの着手、すなわち経営革新が必要とされています。

中小企業者が経営革新を図り、経営革新計画を都道府県に提出し承認を得るとその取り組みに対して様々な支援が受けられます。

「中小企業新事業活動促進法」の経営革新とは『①新商品の開発または生産②新役務の開発または提供③商品の新たな生産または販売方式の導入④役務の新たな提供の方式の導入その他』の新事業活動(新たな取り組み)とされ、個々の中小企業者にとって新たなものであれば、すでに他社において採用されている技術・方式を活用する場合についても原則として支援対象となります。

承認を得るためには新事業活動によってその経営の相当程度の向上をはかることが必要とされています。

◇経営革新計画の作成・承認申請・計画の実施Keikakusakusei

◇経営の相当程度の向上は数値目標によって示されています。Suutimokuhyou

◇経営革新計画の承認に伴う支援策

  1. 金  融 国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫等より有利な条件で融資が受けられます。信用保証協会より有利な条件の保証が受けられます。 
  2. 補助金 新事業活動による経費について都道府県等から補助金を受けられます。(東京都の場合・・・補助限度:1,000万円、補助率:1/2)
  3. その他 優遇税制、販路のコーディネート、イベント紹介、特許料等の減免措置

《まとめ》経営革新というと大変難しい印象を受けますが、経営者の皆様が日ごろ、仕事や業務について様々な工夫をされていたり、何か新しい試みをお考えだったりすることがあるはずです。これらを計画的に織り込んでいくことが経営革新計画そのものです。経営革新計画を作成することのメリットとして①経営者が考えを整理でき目標が明確になる②社内外に明確な説明ができ信用力がアップする③支援措置やその他の施策が活用できる、等があげられます。

(廣島 清量)

2007年4月24日 (火)

雇用保険の保険料率の改定について

失業手当向けの保険料率引き下げを盛り込んだ改正雇用保険法が成立し、平成19年4月より表の通り雇用保険の料率が改定されました。

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給与計算時や、5月21日(月)までに行う労働保険の年度更新時に使用する料率を間違えないようにご注意下さい。※労働保険の年度更新の申告期限は6月11日(月)に変更になりました。

2007年3月26日 (月)

大切な資産運用のご相談を承ります!

当事務所は昨年11月から、IFAとして資産運用のご相談を承っております。

IFA(Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは、金融機関の営業担当者とは一線を隔し、独立した立場から長期中立的な視点で、本当の意味でお客様のライフプランに合ったアドバイスをする立場の人で、欧米では既に広く認知され、幅広く活動しております。

この度、私が、日本初のIFA業務専業金融機関である日本インベスターズ証券(NISCO)の出向社員という立場から、正しい金融商品の使い方と、皆様の資産保全/形成/運用のお力添えに努めさせて頂くことになりました。

以下、中長期の資産運用の最適ツールである投資信託の仕組みと、どのような場合にご相談頂きたいか、ご案内致します。

○一般的な資産運用

投資者(個人・法人)⇒ 購入申し込み⇒ 販売会社=金融機関(銀行・証券会社・郵便局)

投資者は金融機関の営業担当者に勧められるがまま、金融商品の正しい使い方や、商品のリスク、現状リスク(不確実性)にご理解のないまま購入していませんか?

◎会計事務所による資産運用相談Nisco_1

会計事務所は系列の運用会社を持たず、自前の運用商品を持たないため、中立的な立場で投資者を啓蒙し、投資者の目線で情報提供する役割を担います。

☆次のような場合にご相談下さい

  1. 節税後のキャッシュを保全・運用(資産形成)したい。
  2. 金融機関から勧められる金融商品(保険・投資信託・先物等)が不安
  3. 金融資産(ポートフォリオ)の現状リスク(不確実性)について知りたい。

詳細につきましては、当事務所までお問い合わせ下さい。

(久保 康高)

2007年3月19日 (月)

社会保険の改正情報!

社会保険に関する法律の改正は、給与計算をする上で必要になってくるものや、従業員に対して直接関係することがあります。平成19年4月1日施行の社会保険に関する改正事項の一部をお知らせします。

①健康保険標準報酬月額の上下限の改定・標準賞与額の上限の改定

標準報酬月額について・・・上・下限にそれぞれ4等級が追加され、現行の39等級が47等級へ変わります。それに伴い保険料額表も変わりますので、該当者がいる会社は給与計算の際、注意が必要です。(上下4等級に該当しない方は保険料の変更はありません。)

標準賞与額の上限について・・・賞与の保険料は賞与支給額の千円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に保険料率をかけて計算しています。標準賞与額の上限はこれまで支給1回につき200万円でしたが、4月からは年間賞与額の累計額540万円を上限とすることとなりました(年度は毎年4月1日~3月31日)。

Ex.)年間600万円(7月と12月にそれぞれ300万円)の賞与支給の場合、7月には300万円に対する保険料を、12月には240万円に対する保険料を支払うことになります。

②傷病手当金・出産手当金の額の改定

現在は1日あたり標準報酬日額の6割相当額が支給されていますが、4月以降は標準報酬日額の3分の2相当額に変更されます。わずかですが支給額が増えます。

上記のほか健康保険では、保険資格喪失者に対する出産手当金の給付廃止や任意継続被保険者に対する傷病手当金・出産手当金の給付廃止、厚生年金では離婚時における厚生年金の分割制度の開始などがあります。

(廣島 三津子)

2007年1月15日 (月)

中小企業とビジネスブログ

<現在の環境・ブログの利点を知る>

  • キーワード検索が主流の現在は、目的・興味を持っている客に直接働きかけ・きっかけ作りができる
  • 一人からできるサイト運営は個人や中小企業が効率よく集客できる
  • ネットに接続しているパソコンがあれば、どこからでも更新できる
  • 携帯で写真やテキストを送ることができる(=モブログ)→タイムリーな記事を素早く簡単に発信することができる
  • ブログの形式が感想や意見を受け入れやすくなっている(=コメント)→客の視点がわかり、商品やサイト作りに反映させることができる
  • 他のブログに自力でリンクを貼ることができる(=トラックバック)
  • ブログを構成する言語が従来と異なり、検索順位を決定しているロボットに認識され易い→既存の自社ホームページと合体させれば被リンク数が高まりSEO対策になる

現在はホームページとブログの合体が進んでおり、今後は企業ホームページ自体が全てブログ形式になることが予測されています。マーケティングツールの一つとして、ブログを導入してみてはいかがでしょうか。

(廣島 和代)

2006年10月30日 (月)

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)のご紹介

多種類の製品を生産・販売したり、複数の事業を行ったりしている企業が、全社的な視点から個々の製品や事業の戦略的な位置づけをすることにより、最適な経営資源の配分を考えようとするものです。

Ppm 左のマトリックスは縦軸に将来的成長率、横軸に自社のマーケットシェアをとり、高低で表しています。矢印で「→」は効果的な経営資源配分の方向、「⇒」は望ましい製品・事業の移動の方向を示しています。

◇「金のなる木」大きな追加投資なしにキャッシュフローを生み出す製品・事業。しかし将来性に乏しいため、獲得した資金は「問題児」や「花形」に回す。

◇「花形」市場の成長に合わせた投資を続けていくことが必要な製品・事業。そのために品質の向上や新製品開発に力を入れる必要がある。つまり利益よりもシェアを重視する傾向がある。

◇「問題児」将来「花形」になる可能性を秘めた製品・事業であり目先の利益は度外視して、徹底的に資源の重点投入を行うことでシェア拡大を目指すが、撤退も視野に入れておく。

◇「負け犬」成長性もシェアも低く、従って利益も少ないので一般的には撤退を考える場合が多い。

経営資源は、一般的には「人・物・金・情報」と言われていますが、そこに時間・場所なども入れて考えてみるとおもしろいかもしれません。

(廣島 清量)

2006年10月23日 (月)

中小企業における信用保証の改善について

昨今、政府系・民間を問わず各金融機関は中小企業向けの無担保融資を強化しています。そのような社会情勢の中、国(政府)による信用補完制度の見直しが行われ、全国52の信用保証協会は、中小企業者の事業資金調達の円滑化のため、以下の改善策を実施しました。

  1. 信用保証料率体系の改正
  2. 連帯保証人の取り扱いの見直し

<1について>

従来、信用保証協会の保証料率は基本的に一律料金(無担保の場合一般料率年1.35%)でしたが、平成18年4月から、個々の中小企業者の財務内容<定量要因>に応じて0.50%~2.20%の範囲の9段階の基準料率に区分されています。この基準料率に非財務要素<定性要因>を加味して、適用料率が決定されています。

定性要因の加味として、各信用保証協会が独自に行う評価により割引または割り増しするほか、全国の信用保証協会で「有担保保証割引」(0.1%を基準とした一定率の割引)、財務諸表について「中小企業の会計に関する指針」の適用状況を税理士により確認できる中小企業に対する割引(0.1%)があります。

<2について>

不動産担保や第三者保証人に過度に依存しない保証を徹底するため、特別な事情がある場合を除き、原則として経営者本人以外の連帯保証人は不要となりました。

【期待される効果】

経営状況が良好な中小企業の方には割安な保証料を・厳しい経営環境にある方には保証機会の拡大を実現する改正といえましょう。また、親戚や友人など第三者保証人が必要とされていたために、資金調達が困難であった中小企業者の方も信用保証協会の保証のみで借入が可能になる途が広がるでしょう。

(久保 康高)

2006年9月11日 (月)

会計事務所ネットワークによるCLO融資の仕組み

当所は今年5月から会計事務所ネットワークによるCLO融資に参加し活動を続けています。CLO融資は債務の証券化による資金調達の一手段です。以下、このCLO融資の仕組みと、どんなときに利用するとおもしろいのか、ご案内致します。

一般的な資金調達

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◎金融機関の審査基準により、貸し出しの有無、貸し出し条件(貸付額・返済期間・金利・担保)が決定されます。審査基準は法令・規則等により厳格にならざるを得ません。特に新規の場合は消極的になるようです。また、信用保証協会の保証月融資がほとんどを占め、信用保証協会独自の審査も行われます。

会計事務所ネットワークによるCLO融資の仕組み

Cloyuusi_7 

◎各会計事務所がお客様の財務内容等をモニタリングし、融資額と金利が決定されます。

■どのような場合に利用するとおもしろいか?

  1. 新商品開発、新規事業の立ち上げ等現状を革新したい(相対的に融資枠が多い)
  2. 仕入等を現金取引等に変更して大幅にコストを削減したい
  3. 財務体質を改善したい(債務超過でも税金の滞納があっても借入れ可能)

※詳細につきましては当所までお問い合わせ下さい。

(所長:廣島 清量)